品質第一という会社は少なくなりました。では品質は何番目で、一番は何でしょうか。
答えは、第1は安全、品質は第3です。安全・品質以外の仕事の要素の順は次のとおりです。
S(safety) :安全・健康
L(Law) :法律(環境規制・特許等)
Q(Quality) :品質
D(Delivery) :納期
C(cost) :費用
それぞれの項目に少しコメントしておきます。
S:安全・健康
これは、解説するまでもないことですが、やはり安全第一ですよね。それと同列に健康です。仕事が原因で、怪我をしたり病気になったりすることは絶対避けたいです。
「クレームや損失は取り返せるが、労災だけは取り返しがつかない」と言っている零細企業の社長にあったことがあります。
L:法律
違法な手段で排ガス規制を逃れで、多額の費用を支払った会社がありました。また、特許侵害も全数市場回収になる可能性があり、品質よりコスト上のリスクが高いと言えます。
また、残業規制もここに入り、労働基準法違反や36協定違反のリスクは意外と高いです。(健康問題にもつながります。)
Q:品質
品質は大事だと言われますが、S・Lに較べればリスクは低いです。品質を軽んじるわけではないですが、S・Lを優先するようにしましょう。
D:納期
S・L・Qがきちんとしていれば、納期遅れの可能性が低いので第4位になるのは理解してもらえると思います。
C:費用
ここは価格(Price)でなく、費用(原価)です。費用はお客さまには見えない(見せない)部分なので優先順位的には、最後になります。ただ、利益を出さないとS・L・Qに費用をかけられないので、ここも重要ではあるのですが、短期的には最後にしてよいと思います。
このS・L・Q・D・Cという優先順位付けの話は、ある会社を訪問した際に「当社はS・L・Q・D・Cで仕事の優先順位付けをしています。」と会社紹介で聞いたものです。
大きなクレームが発生すると、品質第一で寝食も忘れて原因究明活動をしがちですが、健康やコンプライアンスの方が重要だということを思い出してもらえるといいかと思います。お客さまに休日出勤してでも原因を見つけろと言われても、「当社は品質より、従業員の健康・労働協約の方が重要です。」で話が通じるところが増えてきていると思います。
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