この本は、落合番のスポーツ紙記者が、落合監督と一緒に戦った選手の目戦で落合中日は何が凄かったのかについて書いた本です。
もう一つのテーマは、記者である筆者が落合監督を取材する過程で成長する姿が見えることです。
もう20年以上前の話ですが、「口うるさいお客さまがいないと、会社は伸びない」と言われたことがあります。しばらく忘れていたのですが、昨年この本を読んでそのことを思いました。
この筆者、落合監督以外の監督番でもこんなに成長できただろうか?
理由はうまく言えないのですが、この筆者は落合監督のおかげで成長できたのでないかと思います。
もう一つ、一番印象に残っているのは和田一博選手のエピソードです。
当時主軸だった和田選手が、ノーアウト二塁の場面で、一、二塁間にゴロを打ちランナーを進めてアウトになりました。いわゆる進塁打です。そのプレーに対し落合監督は『いいか、自分から右打ちなんてするな。やれという時にはこっちが指示する。それがない限り、お前はホームランを打つこと、自分の数字を上げることだけを考えろ。チームのことなんか考えなくてもいい。勝たせるのはこっちの仕事だ。」と咎められたというのです。
チームを会社、勝つを利益に置き換えれば、ビジネスの世界にもつながります。
管理職を経験したことのあるアラ還おやじからすると、「こんな仕事して会社のためになっているのか?」と悩んでいる部下に「結果責任は俺が負うので、この仕事に集中しろ」と言っているようなカッコよさを感じます。
プロ野球開幕というニュースを耳にしてふと思い出した話でした。
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